GS/TP Watch&Vintage Rail Road Watch
もう皆さん一通り夏物の洋服は揃えてしまった時期かと思います。
店頭ではブログでもご紹介したいアイテムが色々と入荷しているのですが、なかなか追い付いておらず申し訳ありません。
とはいえ夏本番はこれからですので、お近くの方は是非お立ち寄りください。
今回は時計のご紹介です。
GS/TPからリピート分と新作のご紹介です。そして1本だけヴィンテージにも出合ってしまいました。
洋服は揃えてしまったという方は是非。
GS/TP (General service time piece)は、当店でもセレクトしているTENDERのデザイナーWilliam Kroll氏のデザイン監修と、アンティーク時計を蘇らせるリペア技術に優れた日本の時計職人との協業によって誕生した時計ブランド。
ブランド名のGS/TPとはイギリス軍が1939〜45年に軍用懐中時計をバーリントンやオメガ、CYMA社等に依頼して生産していた際、ブロードアロー(イギリス軍の印)とともに時計の裏側に刻印していた名前に由来しています。
リューズの刻み、フロッグのネジ止めのケースまで、古いヴィンテージの機械を使用して全てのパーツを1つの工場にて生産されます。裏蓋のGS/TPの刻印や厚みのある塗料を使用した文字盤も全て手作業によるものです。
伸縮式のエクステンションベルトは特殊な器具を使わずとも自由にサイズ調整可能です。
TELEGRAPH
20世紀初頭に生産されたモールス信号のオペレーター用懐中時計がデザインモデルです。
時間を知らせる為のアラビア数字以外にも、アルファベットによって時間がわかる様になっており、 午前は赤で、午後は青で時間を認識します。外周にある「A」は午前1時、「Z」で深夜0時を知る事が可能です。
バブルバックと呼ばれる大きく膨らんだ裏蓋は、しっかりと存在感がありますが、28mmと小ぶりなケースですので女性にもオススメです。
実際に店頭でも男女共にご好評いただいているモデル。
ブラックダイヤル、ホワイトダイヤルの2色展開です。
[GS/TP TELEGRAPH ¥52.800in tax]
そしてGOLIATHシリーズは、ブログでちゃんとご紹介できていませんでした。
旧約聖書に登場するペリシテの巨人兵士ゴリアテに由来し、大ぶりなケースを搭載したモデルGOLIATH(ゴライアス)シリーズ。
大きくフラットなクリスタルガラスの持つ深みのある円筒状のケースは、初期の自動車のダッシュボードの計器から着想。
大きいとはいえ実際には35mmですので、一般的なケースサイズになります。
RECORDER DIAL
シンプルなダイヤルデザインは、瞬間的に時間が読みやすくする為に配置されており、第二次世界大戦中にイギリス軍に納品されたATP腕時計の影響を受けています。
当時、12、3、6、9時の拡大されたインデックスは、卵黄色の蓄光塗料で他のインデックスに比べ低照度で光っており、瞬間的に時刻を読み取る事が出来ました。10秒毎のカウントはリングの外側に表示されます。
GOLIATHのケースサイズにこのダイヤルのデザインがとても視認性が良く、機能性とデザインが一番よくマッチしていると思います。
[GS/TP GOLIATH RECORDER DIAL ¥63.800in tax]
ブラックダイヤルが定番モデルで、オレンジの風防が今回の新作になります。
ORANGE JUICE
風防には夜間戦闘用のレンズで使用されるイエローカラーのクリアガラスを採用。
インパクトのあるカラーリングが印象的です。
針は60年代のユニバーサルのポールルーターサブのデザインをサンプリングしたこれまでの仕様をさらに大きくしたインパクトのある仕上げです。
夜間に反射しないようイエローの風防が採用されていたそうです。一見キャッチーな印象ですが、ルーツはミリタリーというところに惹かれてしまいます。
また、今までの秒針だと視認性が悪かったため、従来の2倍の太さの秒針をこのモデルの為に一から作ったそうです。
[GS/TP ORANGE JUICE RECORDER DIAL ¥66.000in tax]
GS/TPは、長く愛用できるようアフターケアもしっかりサポートしていただけます。アンティーク時計のリペア技術に優れた職人がいつでもケアしてくれますので、これほど心強いことはないですね。
文字盤にはあえて色の変化を抑える塗料を使わず、経年を楽しめるような配慮も。いつかは本物のヴィンテージウォッチになることを想定した物つくり。素晴らしいです。
オンラインショップにもアップしました。こちら
GS/TPのご紹介で、大分長くなってしまいましたが、ヴィンテージウォッチもご紹介致します。もう少しだけお付き合いください(笑)
GS/TPを制作している時計職人の数あるコレクションの中から、50~60年代の時計にしてはとても状態の良い個体を見つけてしまい、この時計の出自を聞いていたらもうセレクトしない訳にはいかなくなりました。
本当に綺麗な状態です。アラビア数字の独特な愛嬌のあるフォント、特にマージナルミニッツダイヤルの分のフォントが可愛い。
下記、時計職人からのコメントになります。とても詳しくコメントいただいたので、そのまま掲載します。
1960年代にARNEX社が製造した鉄道時計。通称Rail Road Watchです。
正確な出生は分かりませんでしたが、1800年代の後半くらいにはブランドが誕生し、スイスだけではなくイギリス・アメリカでも販売されていた形跡がありました。
しかし、1970年代になると電池式の時計の普及(クォーツ・ショック)により倒産し、以降は復刻もしていない様です。
今回納品した時計は50年代後半から60年代前半に生産されたと思われるARNEX社製の鉄道時計になります。
鉄道時計の始まりは1850年代まで遡り、1891年に起こった鉄道事故が原因で1893年にアメリカ全土で規格が統一されました。
その企画を提唱したのがポール社で〈鉄道時計のガイドライン〉があり、各時計メーカーは高品質で低価格の腕時計の生産を始めます。
ガイドラインの内容は、白文字盤・黒い針・アラビック文字・耐磁性、そして1日の誤差が30秒以上ある時計に関しては調整を義務付ける等、数多くの規定を設け厳格に管理されていました。
今まで数社のRail Road Watchを取り扱ってきましたが、各メーカー同じようなデザインですが、軍モノでもよくあるメーカーによって多少の違いがある楽しい時計です。
文字盤はマージナルミニッツダイヤルになっており、Rail Road Watchでは一般的なレイアウトですが、腕時計はあまり市場に出てこないので、いつ見ても新鮮です。
マージナルミニッツダイヤルとは文字盤外周の数字が全て上を向き5分毎の数字が他の分数字よりも大きいレイアウトで、その他は上に挙げた特徴を持っている文字盤になります。
こちらの個体は特に大きなキズや、くすみもなく良い状態ではないでしょうか。
精度も大変よく、初めてヴィンテージ時計を購入される方にもオススメです。
[ARNEX 50~60’S Vintage Watch ¥143.000in tax]
こちらはオンラインショップには掲載しておりませんが、気になられる方はお気軽にご連絡下さい。