NEW BRAND / senui
今季から新しくお取り扱いさせていただくsenuiのご紹介です。
デザイン・パターン・縫製を全てデザイナー自身が行うブランド。
デザイナーの加藤さんとは昔からお付き合いがあり、前職は当店でもお取り扱いのあるINDIVIDUALIZED SHIRTSなどのインポーターをやられていました。トランクショーでお越し頂いたこともありますので、当店のお客様はご存知の方も。
当時はメイドインU.S.Aを代表するインディビのシャツのイメージを逆手にいつも上品に着こなしており、当店のインディビ別注は加藤さんの影響を多大に受けています。
また、国内大手シャツメーカーに在籍していたこともあり、シャツに対しての造詣が深く、ブランド立ち上げをずっと楽しみにしていました。今回1型のみの展開ですが、個人的に響いた素晴らしいシャツジャケット。
まずはブランド概要になります。
senui
着物やテーラードの左右の後ろ身頃同士を背の中心で縫い合わせる技法のことを指す“背縫い”。様々な意味や効果を期待して継承されてきた文化の結晶でもあるこの技法を用いて、現代の衣服を紡いでいく。
国内外の有力シャツブランドの生産、企画に携わってきた経験を元に、2022年からシャツブランドsenuiをスタート。デザインからパターン、縫製まで全ての工程を自身で手掛けている。日本やアメリカ、ヨーロッパの様々なヴィンテージアイテムを研究し到達した新しいシャツの在り方を提案する。
Cover Shirts
これからの時期に着やすい羽織りで使えるシャツジャケット。
シンプルに見えますが、今まで見たことのない独特の設計。
ホワイトベースのClassic stripeと、ほぼブラックに見えるダークグリーンarabiaの2色展開。
ワンサイズですが、袖をまくって女性が着ても良いバランスでしたので、着る人の体型を選ばずそれぞれの着方ができるシャツです。
Classic stripe
繊維長の長いエジプト綿GIZA94を使用したクラシカルなストライプ。独特な端番手の単糸に紡績し、程よい厚みと弾力性を実現している。
Water broad
国内で織られた高密度なブロード生地。縦糸GIZA96の100双糸、緯糸80単糸のスーピマと、縦緯番手の違う超長綿を組み合わせ独特のドレープを生み出す生地に。仕上げに植物由来のアミノを用いた加工を施し、膨らみと滑らかな肌触りを与えています。
そしてディテール詳細になります。
ブランド概要にもあるように背中で縫い合わせることにより、脇下に縫い目がありません。カットソーでは見たことありますが、シャツでは初めて見ました。
シャツの脇のステッチは一般的に巻き縫いが良しとされますが、着込んでいくと縮みによるパッカリングが生まれます。これも良いのですが、senuiではこの脇のシームを排除することで、サイドの綺麗な落ち感を意識しています。
その他、2枚袖のアームやカフス、裾部分などシルエットに影響するアウトラインはステッチが表に出ない仕様。
通常脇のシームにポケットを付けるシャツは多いですが、このシャツはシームなし。ですので、ポケットは身頃に片玉縁のフラップポケットを。このポケットもデザインの大きなポイントですし、とても実用的。
縫製糸は全て60番手の綿糸を使うことで、襟、前身、フラップポケットのステッチが見える箇所は洗い込んでいくとパッカリングが生まれます。この緩急の付け方も面白いです。
縫製の運針は30㎜間に24針。非常に細かくデザイナーの技術力の高さも窺えます。
そして最大の特徴は無双仕立てということ。
本来は高級コートや着物の仕立てに使われますが、これをシャツに落とし込んでしまいました。
表地と裏地に同じ生地を2重に使う贅沢な仕様。単純にシャツ2枚分の生地を使っています。
これも洗っていくと生地の間に空気を孕んだような立体的な表情を持ち、シャツにはない程よい重さがシルエットに良い落ち感を生みます。
実は秋冬リリースの商品でしたが、少し肌寒いくらいの春先からが最適と店頭に出すのを遅らせていました。
とても良いシャツです。ぜひ店頭でご覧ください。
[senui / Cover Shirts ¥42,900tax in]
オンラインストアにもアップしました。こちら
加藤さんお1人で作れることもあって、いつかヴィンテージなどの特別な生地でオーダー会ができれば良いなと計画しております。こちらもお楽しみに。
そしてスタイリングで合わせているセットアップ。皆様の期待度も高いMEDIUM SPORTSWEARの新作です。こちらも近日ご紹介致します。